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経営志談(2)ご入居者が元気になる介護をしよう

専務取締役の三重野です。

今回は、私たち介護付きホームの業界団体である「一般社団法人全国介護付きホーム協会」の会報誌に掲載されました、私のインタビュー記事です。考え方がまとまっていますので、2回に分けて掲載させていただきます。

――御社は今、どのようなことに力を入れていらっしゃいますか。

三重野:1999年に介護事業に参入した当時、当社が構築したコンセプトは「『~をして差し上げる』介護ではなく、ご入居者が元気になる介護をしよう」というものでした。業界では「自立支援」というテーマが注目されていますが、私たちも当社が考える「自立支援」に今、再び立ち返っています。

私たちは主として1.5対1以上の手厚い人員配置体制を敷き、サービスを提供してきました。しかし時間が経つにつれ、キメ細かいケアを提供しようとする想いが強くなり、コンセプトに反して「~をして差し上げる」介護になってしまっていたのではないか、と気づきがありました。そこで2017年に「Alive UP!」というスローガンを掲げ、ご入居者お一人おひとりに向き合い、ご入居者自身の自主的な「~がしたい」、「~に行きたい」といったニーズ・自己実現を叶える個別ケアに注力しています。

私たちが考える「自立支援ケア」とは、お一人おひとりの「~がしたい」を叶えるための基盤となるものです。まずは基本となる「6つの基本ケア(水分・排泄・食事・運動・睡眠・減薬)」を中心に、私たちプロの手でご入居者の生活の基盤を整え、習慣化し、そのうえで「その方らしく生きる」ための自己実現、「お墓参りに行きたい」、「旅行に行きたい」といった高次の欲求をかなえる個別ケアにつなげていきたいと考えています。

――ご入居者の尊厳を大切にした自立支援介護。世の中の流れにも合っていますね。

三重野 「生理的な欲求を満たして快適な生活を送り、その先の自己実現を目指すケア」、この方向性に反対する人はいないでしょう。それをいかに実現していくかが重要だと考えています。そのためにはまず、自立した生活を目指すために、ご入居者の状態を正しく知る必要があります。現在、ケアを提供する前のアセスメントに特に注力しています。

また、「6つの基本ケア(水分・排泄・食事・運動・睡眠・減薬)」の「自立支援ケア」は介護サービスの「目的」ではありません。その先の「個別ケア」、「入居者の自己実現」を目指すための手段であることを見失わないようにしなくてはならないと考えています。

――そうした自立支援ケアを横展開していくための仕組み、ポイントについてお聞かせください。

三重野 大切なことは各ホームで基本をしっかりと実践することです。まず大切なことは、サービス担当者会議でご入居者本人・ご家族の意向を十分に聴き取ることです。ご家族から「母は本当に昔から食べることが好きで」という情報を伺えば、「ご本人の故郷の献立を提供し、少しずつでもご自身で食事を楽しむことを目標にしよう」といったプランがイメージできるかが大切です。このような機能を果たすサービス担当者会議を進めるためには、計画作成担当者(ケアマネージャー)を中心に、看護・介護のスタッフや理学療法士、生活相談員など、多職種の専門性と連携が重要となります。聞き取る力、連携の力を伸ばすことで先を見据えたケアを提供することを一つの目標としています。

2018年5月号より抜粋