Alive News

【Well-being 経営×幸福学×介護事業】株式会社はぴテックCEO兼CHO(ハピネス)  太田雄介様と弊社代表取締役社長 安田雄太の対談が行われました

株式会社はぴテックCEO 兼 CHO(ハピネス)  太田雄介様と弊社代表取締役社長 安田雄太の対談が2022年6月3日に行われました。

今、アライブメディケアは「Well-being経営」に踏み出しています。幸福学や幸福論を皆で学び、幸福度の診断や、評価制度に幸せの4因子(※1)を組み込むなどの取り組みを実際に行っています。

今回の対談は、弊社スタッフ2名が前野隆司教授(慶應義塾大学大学院)の「令和の寺小屋 Well-being School」に参加したことから実現しました。

前野隆司教授と弊社スタッフ


株式会社はぴテックCEO 兼 CHO(ハピネス)  太田雄介様


弊社代表取締役社長 安田雄太

―何故、アライブメディケアはWell Being経営をめざすのか

安田:
社長の責務として、仕事を通して社員の心を幸福にできる理屈を理解したいです。
働いている皆が幸福感を感じていない場面が見受けられ、自信が持てない生き方に思い悩んでいます。2025年問題、日本社会における圧倒的な介護士不足に反して、介護士を目指す若者が減少している。介護福祉士を養成する専門学校の定員は軒並み縮小傾向です。介護が世の中で魅力ある仕事と評価されていない…。大きな課題が大前提として立ちはだかっています。

私は、介護現場上がりのため、何度もご入居者のお看取りを経験してきました。現場では多くの素晴らしいスタッフと出会ってきましたが、その多くがバーンアウトしてしまう。心を痛めてしまう。或いは、無礼と変わってしまう…。
私の疑問はずっと変わりません。
「幸福感を感じていない人が、ご入居者を真に幸せにできるのだろうか?」
今でもこの命題と向き合っています。
あらゆる本を読み漁るなかで、世界三大幸福論からセリグマンのポジティブ心理学(PERMAモデル)、前野先生の幸福学に行きつき、ダニエル=キム氏の「組織の成功循環モデル」を忠実に守りながら、社員と会社の「関係の質」から社内改革を始めています。
コロナ禍でしたがこの2年間、社員と語り合い続けて、ようやく3合目に到達。
点と点が線になってきていると最近ようやく感じられています。

幹部の心の向きが変わり始めると、現場の生産性が変わり始めました。介護の生産性は、いかに一人一人の心の状態、健全なチーム状態に左右されるのか、痛感しています。

介護職に対する社会の印象調査では「4K(きつい、汚い、危険、給与が安い)」が主な理由なのに、実際に介護業界全体の離職理由の上位3つは順に「人間関係」、「結婚・出産」、「理念や運営に不満」です。
シンクシビリティ(※2)という本に出会ったときは目から鱗でした。
ポラス氏は、「人間関係」を悪化させる正体を“無礼”という言葉で説明し、無礼がもたらす5つの弊害(健康被害、経済損失、思考・集中減退、認知能力減退、攻撃性向上)を統計的に証明してくれました。まさに、私が見てきた介護現場のリアルがそこにありました。
「無礼を生まないためにはどうしたらよいのか?」その思考が“礼節”であり、渋沢栄一氏も論語と算盤の中で“品格”という言葉を用いて示されていました。
私が出会った素晴らしい介護士の多くは礼節や品格ある方々でした。そしてその多くの方々は幸福の4因子を実践されていました。幸福であろうとするから礼節さや品格を持ち合わせているのか?分かりませんが、ついに、前野先生の幸福学に行きつきすべてが腹に落ちました。
当社は最近の流行であるwell-being経営に安易に飛びついたのではありません。22年の経営苦悩の末に行きついた答えがそこにあったからです。
人の心に働きかける経営こそが介護事業会社の経営本質だと悟ったからです。
「ハッピーエブリデイな日々を社員全員が送るためには?」
その実現が社長のミッションだと思っています。

―Well Being経営と幸福度診断の関係性は何かございますか

太田先生:
素敵な想いでいろいろな活動をされていますね。Well-being経営を推進するには、みんなが幸せでいられる会社を作る、という旗を振り続けることが大切です。その想いを大切に、是非、旗を振り続けていきましょう。
そして、旗を振り続けていくためにも、その成果を確認していくことが重要です。幸福度診断は、その成果を確認するためのツールとしてお役にたてるでしょう。
また、介護業界では、燃え尽き症候群が多いことや、人間関係で悩む人が多いという話も聴きます。その原因として、相手のためを想いすぎて、自分をおろそかにしてしまう方が多いことが挙げられるでしょう。介護をされる方々のためにも、介護をする側の幸せがとても大切です。
ハーバード大学ニコラス・クリスタキス教授によれば幸せはうつる、それも15%程度もうつると言われています。これは介護者においては特に顕著で、研究によっては介護者と被介護者の幸福度が同程度となるといった報告もある程です。そのため、介護業界では、介護する方々の幸せが、とても重要であるといえるでしょう。利他と利己、バランス良く育てて行く必要があります。

安田:
そこに一番苦悩しました…。
利他心にて人の役に立てる素晴らしい介護の仕事を選んだはずなのに、その方の利己心が優先されてしまう場面を多く見てきました。
それは、多くの方々のお話を伺ってきて思うのは、幼少期から成人期までの発達形成の中にも課題があると認識しています。情愛不足です。また、日本の戦後教育に徳育(倫理・道徳)が失われたこともそれを歪めています。
自らの承認欲求不足を求めるがあまり、職場の仲間に無礼を働く行為を数多く見てきました。或いは、物事をすべてネガティブに扇動しルサンチマンの対象を会社にぶつけ、「自分たちは間違っていない、この状況を作り出した環境、会社や上司が悪い」という他責思考を社員に刷り込み、成長の芽を摘んでしまう悲しい人物も多くいました。自分を認められないから、自信が持てない故の行為。
或いは、インポスター症候群(※3)、自分の成果をしっかり受け止め認められない人も介護現場には平均数以上いると感じています。バーンアウトの正体でもあります。

介護事業者の務めは、まず、介護の専門性の前に、人間力の向上、人格者としての徳を育てることから始めなければならない…。つまり、介護事業者は人を育てる学び舎であらねばと思っています。知恵と情愛と意志を学ぶために「幸福学」の習熟は最強の生存戦略であると信じています。

太田先生:
はい、まずは幸福学を学ぶことは、一つの対策となると言えます。他責思考や自分の成果を受け入れられないなど、幸せについて科学的に学び、自分と周りの幸せを高めていくことで解消していけると思います。幸福学を通して、「他者への愛」「自分への愛」を共に高めていくことが重要です。
おっしゃられていた方など、最初は幸福学を学び実践していくことに抵抗がある方もいるかもしれません。ですが、そういった方ほど、逆に学びと実践の中で、大きく変わっていくというケースも多々あります。

安田:
ぜひ、研修お願いしたいです。一緒に学びたいです。社内で教えるだけでは、難しい足りない面があります。

―今アライブメディケアでは、感動ストーリーを語るというテーマを大切にしております。感動を話す人も聞く人も幸せになるという狙いで進めています。

本浪(弊社スタッフ):
アライブ杉並松庵開設初期に入居され19年間ホームで生活されたご入居者がご逝去されました。ホームのスタッフも参列できるようにと、わざわざホームの近くで葬儀を行ってくれました。皆様笑顔で、葬儀とは思えない、笑顔とありがとうにあふれた葬儀でした。人生の4分の1をアライブで過ごされ、「アライブで本当に良かった。」「アライブは家族。第二の我が家。」とご家族よりお言葉をいただき感動しました。

小峯(弊社スタッフ):
家族の一員と思って頂いていて、介護リーダー時代に励ましてくださり、他のホームに異動になりホーム長として戻り関わらせて頂き、その時もご家族は愛情いっぱいな方々でした。小さなお孫様も成長しホームでコンサートをしてくださいました。

葬儀では歌を歌ったり、ご家族はアライブでの思い出のお話を沢山してくださいました。あそこに答えがあったかもしれないと振り返って感じます。

安田:
入居相談員だった頃、初めて対応した方でよく覚えています。電話を頂き、資料を届けにご自宅に伺いました。元々、弊社のグループに病院があり、アライブを立ち上げたばかりで介護のプロではなかったと思います。しかし、たまたまメンバーの幸福度が高い、EQ(心の知能指数)が高いメンバーで「情愛」でケアを行っていました。

その体験から、メソッドや方法論は進化するが、幸せの4因子(※1)や人徳がなければ、本物の介護になれないという経営をすべきと考えます。

太田先生:
いや~いいですね~。感動しました。未来を感じるストーリーですね。介護業界が世界一幸せな業界に変わっていくこともできるのではないかと、その片鱗を感じました。お客様と家族のような関係性を築いていける業界はなかなかありません。

―「ティール組織」など成人の心の成長の考えと、幸福学の関わりについて何かお考えはございますか。(個人と組織の幸福について)

安田:
これまで実施してきたストレスチェックでは、高ストレスホームは優位に示されました。理由を探っていくと、介護士の退職理由TOP1と同じく、「人間関係」が背景でした。
職員同士のストレスが高まる原因は、ある特定の無礼発信者が存在することでした。それが責任者の場合もあり、このような適応課題から逃げずに一つ一つ向き合い続け今があります。
そこでの学びは、個の人間力を徳育で育てていくことと同時に、多様性ある個が組織でのびのびと生きていける心理的安全性の高い組織風土を構築できるかが最大のテーマです。私が思う介護組織に求められる組織形態、つまりティール組織を目指すためには、すべては幸福学の概念から出発するべきだと思っています。
アライブでは、社員の行動規範として5バリュー(※4)を定めました。礼節、ナラティブ、大善、アジャイルな創造、GRIT。そして、5バリューと幸福学を下敷きにした人事評価に180度改定しました。仕事の成果が幸福の軸で語られる。アライブで成果を出している人は幸福への道を進んでいる人であり、その生き方を全員で目指している様こそが、ご入居者が我々に期待している価値になると信じています。

太田先生:
5つのバリューは幸福度に全部関わっていそうですね。礼節やナラティブ、GRITなどは、幸福度と相関があるという研究も出ています。
また実際どうなのか、を深掘りしていくことも有益です。幸福度と、5バリューを共にサーベイ(幸福度診断)で測ることで、5バリューがどのように幸せに繋がっていくかを、分析することができます。
これは、アライブ社内にとっても、バリューの大切さを再認識するきっかけになると思いますし、社外に公表することで世間一般にも有益な情報になると思います。

安田:
私たちが掲げているVisionである「日本の介護を牽引する」ために、まず人づくりで牽引したい。心を育てる徳育をし、皆さんに知っていただきたいと思っております。

アライブメディケアのVMV(※5)、そして評価制度、様々な施策が非常に幸福学と親和性が高いことが確信できた素敵な対談でした。

※1 幸せの4因子…「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」

※2 シンクシビリティ…Think CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
クリスティーン・ポラス (著), 夏目 大 (翻訳)

※3 インポスター症候群…自分の力で何かを達成し、周囲から高く評価されても、自分にはそのような能力はない、評価されるに値しないと自己を過小評価してしまう傾向のこと。

※4  5つのバリュー…アライブメディケアの求める人間力
①Think Civility…「礼節」を重んじる。無礼な人は生産性を下げ、礼儀正しさが生産性を上げる。どちらもウイルスのように伝染する。
②Think Narrative…「わかりあえなさ」を前提に、対話を通じて、自分と相手、双方に橋を架ける。相手の背景・物語を理解してから理解される。
③DO DAIZEN…例え煙たがれても、組織と個人を成長させるため、信念と愛情を持ち、向き合う。
④Do Creation Agile…既成概念にとらわれることなく、お客様の為に価値を創造するため、失敗を恐れず積極的に「実行」する。
⑤GRIT with Passion…困難や挫折に負けず、努力を続ける「粘り強さ」と「情熱」を持って、目標を達成するために、やり抜く力。

※5 V(ビジョン)M(ミッション)V(バリュー)…アライブメディケアの理念
Vision 認知症を熟知し、想いをカタチにし、日本の介護を牽引し続ける
Mission 情愛と意志で、ご本人とご家族の「真の望み」を叶える
Value 「人を大切にする気持ち」をベースに、おひとりおひとりと向き合い続ける

 

冊子プレゼント