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【暮らしの中のリハビリ】Alive UP!活力ある暮らしを アライブ世田谷下馬

※写真はイメージです

「近所に住む息子のおうちに歩いて行けるようになりたい」

これは、お一人暮らしで引きこもりがちだったお客様が自らの意欲によって言葉にされた想いです。

住み慣れた自宅を離れ、ホームにご入居をするというイメージは、ご本人はもちろん、ご家族の不安や葛藤が多いというのが現状です。介護というと、食事や入浴のサポートをすることを想像される方がほとんどだと思います。私たちアライブではご入居にいたるまで、そして、ご入居にいたってからの時間こそ、その方らしさを大切に、心と身体のサポートを通じてご入居者の想いを実現するという視点で寄り添っています。

今回は、うつ病で引きこもりがちになっていたご入居者が、ホームの暮らしの中で意欲を取り戻しお元気になられた「アライブ世田谷下馬」のエピソードをご紹介いたします。

 

引きこもりからご入居にいたるまで

都心近郊にお一人でお住まいだったA様。以前は買い物に毎週出られ、ご子息のご自宅を訪れるほど活動的でした。また、ご家族も定期的にご実家へ訪れるなど交流がありました。

しかし、2020年に入ると新型コロナウイルス感染症の流行によって、外出を控えなくてはならない状況になりました。そうして自宅で過ごすうちに、元々持っていたうつ病が重なり引きこもるようになられたため、意欲も薄れ、時折、ご子息様家族がご実家を訪ねられますが、食事も摂らず、薬の飲み忘れなどが目立つようになりました。

ご家族はとても心配し、このまま一人で暮らすよりも、どこか自分たちの近隣でケアをしてもらいながら安心して過ごせるホームがないものかと探し、ご長男、ご次男のそれぞれのご自宅から近いアライブ世田谷下馬で体験入居をすることにしました。

 

表情も固く、体調面の不調が多かったご入居時

体験入居を経て、ご家族もA様も納得をされて本入居にいたりました。

ご入居当時の様子はうつ病の症状もあり表情がとても固く、ご本人の身体に対する不安から夜眠れないなどの訴えもあり、スタッフが接するたびに、「身の置きどころがない」「ここに来てしまったのは、間違いであったのではないか」という発言が多くみられました。認知機能の低下はなく、引きこもりが長く続いていたため、脚力の低下等もありました。

 

心と身体へのアプローチ

アライブ世田谷下馬では、多職種の連携によって、様々な角度から身体、心に寄り添いケアしていきます。支援計画として、以下のことを目標にしました。

 

・本人の身体に対する不安要素を(不調)取り除くこと。

・孤独を感じさせないこと。

・他のご入居者との関わりに配慮し、安心できる環境をつくること。

・歩く能力を上げること。

・日の光を浴びて、生活リズム、周辺環境を整えること。

 

A様、ご家族の同意を得ながら、眼、歯、不眠、排泄、皮膚、脚など、多数の身体的機能の改善に一つずつアプローチしていきます。

そして同時に、日々のスタッフ介入に対する信頼関係の構築を大切にし、1日を通して何回もスタッフが訪室しお声掛けを行い、アクティビティの時間になると「良かったら一緒にいかがでしょうか。」とお声を掛け、外の空気に触れていただくことを増やすため、定期的に太陽のあたる時間帯に散歩の時間を設け、一緒に歩き寄り添いました。

そして、他ご入居者と交流がもてるよう、最も接点となる食事の時間帯にも配慮をし、話しやすい方、気が合いそうな方との空間作りを大切にしました。

 

また、ご本人の不安材料の一つであった薬にもアプローチを行い、看護スタッフ、医師(協力医療機関)とA様ご本人と相談をしながら薬の調整に取り組むなど、ホーム全体でA様の孤独を癒しながら、献身的に寄り添っていきました。

 

A様の懸命な姿に心打たれて

一つひとつ不安を取り除きながら、散歩をしはじめたことによって、少しずつ表情の改善が見られるようになります。何度か散歩を繰り返すうちに、ある朝ふと、「近所に次男のおうちがあるのよ。歩いていけるようになれたらいいわね。」とA様自ら想いを口にされホーム内で杖歩行の自主練習をはじめるようになりました。ホームの片隅で一人で杖歩行の練習をしているA様の姿を見つけ、その懸命な姿にスタッフは心を打たれ、その横に駆け寄り見守るように寄り添い一緒に歩きました。

 

ご入居前と変わらない豊かな暮らしをホームでも

ご入居2カ月で驚くほど表情が豊かになり、自ら積極的にアクティビティなどの参加や他ご入居者との交流も増え、今では笑顔で安心してお過ごしになられるようになったA様。その様子に、ご家族も心からご安心いただき、とても喜んでいただいております。

ご家族からも「何でもやってあげてください」というお声をいただき、スタッフもそれに応えていこうと考えています。

A様は、以前ご自宅でガーデニングが趣味でいらしたとのこと、散歩の際にA様がお花をご覧になり、愛でる姿を見ていたスタッフは、以前の暮らしをホームでも実現できるようにとベランダでの植物菜園に向けて準備を進めています。

また、コロナ禍での外出自粛により、ご子息様のご自宅へ行くことはできない状況ですが、A様は現在もリハビリを続けていらっしゃいます。A様の想いの実現に向けて、スタッフも一丸となって取り組んでいます。

「ホームという場所は、“最期の場所ではなく、元気になっていただく場所”

私たちホームスタッフは、ご入居者に“笑顔になっていただきたい” という強い気概を持ち、同時にご家族へも、安心してご入居者とも関わりをもってもらいたいと思っています。」

と、アライブ世田谷下馬 ホーム長 高井洋は語ります。

 

日常のご様子や会話から「できること」や「やりたいこと」をスタッフがしっかり確かめながら、必要なことを日々の生活で少しずつ取り入れていく。

ご入居者やご家族の想いを、全スタッフが理解してケアを提供することがご入居者の「生きがい」創出につながると私たちは考えます。

 

このエピソードはほんの一例です。

すべてのご入居者お一人おひとりにストーリーがあります。アライブでは個別ケアを追求し、ご入居者の「生きがい」を創出します。ご入居者にもご家族にも、安心・安全、豊かで心温かいホームでの暮らしの提供にアライブは今後も取り組んでまいります。