2026年4月16日
皆様、こんにちは。
アライブ久が原ホーム長の上林です。
今回は、「音楽と記憶」について少しお話したいと思います。
日常の中で、「この曲を聴くと、当時の出来事を鮮明に思い出す」といった経験はございませんか。
これは記憶の仕組みによるものです。
脳内の「海馬(記憶の整理役)」が、音楽をヒントにして、眠っていた過去の記憶を再び呼び起こす(再構成する)ことで起こる現象です。
この現象を活かした「音楽療法」は、認知症の症状改善にも効果が期待されており、現在では多くの病院や介護施設で積極的に取り入れられています。
先日、ホーム1階のリビングから静かにピアノの音が流れてきました。
曲は、ベートーヴェンの『ピアノソナタ第8番「悲愴」』。
演奏されていたのは、認知症を患っていらっしゃるご入居者でした。
優しく紡がれる音色はどこか懐かしく、深く心に染み渡るものでした。
曲が進むにつれ、他の方々も自然とリビングに足を運ばれ、皆様静かに耳を傾けていらっしゃいました。
演奏が終わると、リビングは温かな拍手に包まれました。
演奏されたご入居者は、少し照れたように微笑みながら、
「この曲は学生時代によく弾いていて、あの頃は……」と、曲にまつわる大切なエピソードを話してくださいました。
それを聴いていた他のご入居者も、「この曲は母が好きで、子供の頃によく聴いていたのよ」と思い出話に花が咲き、その場は一層和やかな空気に包まれました。
ベートーヴェンの名曲が時を越え、今ここで人と人とを繋ぎ、心を通わせる。その光景に、私の胸も熱くなりました。
日々の暮らしの中で、ふとした瞬間に訪れる「心の琴線に触れる」ひととき。
音楽の力と、ご入居者が歩んでこられた人生の思い出に、改めて深い敬意を感じた出来事でした。
これからも、ご入居者とご家族が穏やかにお過ごしいただける環境づくりに、スタッフ一同取り組んでまいります。




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