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「傾聴」の大切さ②

2026年4月20日 

こんにちは、アライブかながわのホーム長の佐藤です。

4月に入り、陽気に満ちた春の暖かさを感じるようになりました。
皆さま、お元気にお過ごしでしょうか。

今回は、前回の続きで、ホームにおける「傾聴」について、具体的な実践の話しをさせていただきます。

傾聴においてまず大切なのは、安心してお話しいただける環境づくりです。

特にご入居間もない方は、周囲の方々やスタッフとの関係もこれから築いていく段階であり、緊張されていることも少なくありません。

そのため、リビングや居室など、ご本人が落ち着ける場所で、時間に余裕をもってお話を伺うよう心がけております。

また、傾聴の姿勢として大切にしているのが、相手をそのまま受け止める「受容」と、相手の視点に立って理解しようとする「共感」です。
この二つを意識しながら、日々の関わりを大切にしています。

特に、ご本人のご状態や疾患の影響により不穏な様子が見られる際には、「受容」と「共感」をもって傾聴を行うことで、落ち着きを取り戻される場面が多く見られます。

昨秋、他のホームからご入居されたA様は、当初、不穏なご様子が見受けられました。

しかし、お薬の適正化と日々の丁寧な傾聴を重ねることで、徐々に穏やかにお過ごしいただけるようになりました。

ある日の午後のことです。
廊下を歩いていたスタッフが、後ろから「すみませーん!」と声をかけられました。

振り返ると、A様が満面の笑みで立たれていました。
それまでのご様子が嘘のように、ご自身から明るく声をかけてくださったのです。

しばらくすると、A様は両手でカメラを構えるような仕草をされ、「おーい、こっちだよー!」とスタッフに呼びかけながら、まるで誰かを並ばせるように手招きをされました。

そして「よし、いい写真が撮れた」と一言つぶやかれ、“撮れたばかりの写真”をそっと手渡してくださいました。

音楽教師としてご活躍されていたA様が、当時の記憶の中で生徒たちと過ごされているのだと感じたスタッフは、実際のカメラをそっとお渡ししました。

するとA様は、迷いなくシャッターを切り、本格的に撮影を始められました。

ファインダーを覗きながら指折り数えるような仕草をされ、おそらく生徒たちの人数を確認されているご様子でした。

やがて満足そうにうなずかれると、次の場所へと颯爽と歩いていかれました。

その表情は、本当に穏やかで、そして誇らしげで、スタッフも自然と笑顔がこぼれました。

日々の傾聴を重ねる中で、A様が教師として生徒たちを深く愛し、情熱をもって歩んでこられた人生が、少しずつ見えてまいりました。

記憶の中にいるA様は、いつも生き生きとされています。

私たちはその世界を否定することなく受け止め、一緒に笑い、一緒にいる。

それこそが「受容」と「共感」に基づく傾聴であると、改めて実感したひとときでした。

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