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「なんでだろう」から始まる介護

2025年11月19日 

アライブ代々木大山町ホーム長の井東です。

「なんでだろう」から仕事は始まる——これは、ヤマト運輸の元会長・小倉昌男氏の著書のタイトルです。宅急便という画期的なサービスを生み出した同氏は、常に疑問を持つことこそが、仕事のやりがいや生産性を高める原点であると説いています。

単に言われたことをそのまま行うのではなく、「なぜそうするのか」「本当に最適なのか」と自分に問いかけること。その小さな疑問が、より良い方法を見出し、応用力を磨き、そして新しい価値を生むきっかけになる——この考え方は、介護の現場にも通じるものだと私は感じています。

たとえば、あるご入居者の食事についての話し合いの場面。「嗜好により軟らかいご飯と、通常よりも軟らかく調理したお食事をさらに一口サイズにカットして提供している」との報告がありました。しかし私はふと「なんでだろう?」と疑問を持ちました。本当に嗜好だけが理由なのか? 実は歯に不具合があり、噛むのが難しいために軟らかい食事を選んでいるのではないか? もしそうであれば、歯科治療によって通常の食事を楽しめる可能性もあるのです。

また、リビングでよくウトウトしているご入居者についても同じです。夜眠れなかったからなのか、それとも単にやることがなく目を閉じているだけなのか。あるいは水分不足が覚醒に影響しているのか。理由を掘り下げて考えることで、対応の仕方はまったく変わってきます。

介護の現場では、ご入居者の言葉や表情、何気ない仕草にこそ、大きな意味が隠されています。そこに「なんでだろう」と気づけるかどうかで、その方の生活の質や健康状態に大きな差が生まれるのです。微かな変化を見逃さず、早期に対応できれば、病気の重症化を防ぎ、安心して暮らしていただくことができます。

だからこそ私たちスタッフは、日々疑問を持ち続ける姿勢を大切にしています。「この方にとって本当に必要なことは何か?」と考え続けることが、尊厳を守り、自分らしい暮らしを支える第一歩だからです。

介護の仕事は「人」がすべてです。そして「人」に寄り添う姿勢こそが、アライブの最大の強みでもあります。私たちはこれからも、「なんでだろう?」という小さな問いを忘れず、人間力・知識・技術を磨き続け、ご入居者とご家族により良いサービスをお届けしてまいります。

介護に正解はありません。けれども、問い続けることによって見えてくる温かい答えがあります。私たちはその答えを一緒に探しながら、アライブ代々木大山町での日々を、安心と笑顔にあふれた時間にしていけるよう努めてまいります。

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