2025年12月8日
前職の経験として、「職員が育たない」ことを象徴する印象深い出来事がありました。
就寝介助時にフロアに行くと、男性の介護リーダーが満面の笑みで私に駆け寄ってきて、私に嬉しそうに話してきました。
「あいつ(お客様)を部屋に押し込めてやりましたよ、相撲を取ってやりました。もう、あいつはあきらめて部屋から出てきませんよ。」と。
その男性のご入居者は若年性認知症により、今いるところが老人ホームであるという認識が持てない方でした。
そのため、強い不安故に、居室から出てきては職員に「ここはどこなのか?」を確認する事が常態化していました。
身体状況については、歩行もできて、日常生活動作は概ねお声掛けで行えました。
笑顔がとても素敵な男性のご入居者でした。
単純な会話であれば、やりとりは成立し、私としては特に問題となることはない、ご入居者だと認ておりました。
始めは、高揚したその介護リーダーが何を言っているのか、理解ができませんでした。
そのため、3回ほど聞き直して、ようやく、何が言いたいのか?理解することができました。
「副ホーム長、あいつ(お客様)はいつも部屋から出てきて、(尋ねられることが)面倒くさいじゃないですか。(だから)部屋へ押し込めてやり、もう諦めて部屋から出てきませんよ。面倒臭くなくなったから、副ホーム長、褒めてくださいよ。」と。
あまりのレベルの低さに驚愕したのですが、それが虐待であるという現実、しかも、それが介護リーダーという組織の長である問題。
また、私がそこに同調してくれると思われていること…
この深刻な状況にどう向き合うべきか、深く考えました。
まず、その場で、「何が悪い事なのか」を理解してもらえるように、淡々と話をしていきました。
権利侵害であること、不適切ケア・虐待であること、ご入居者をどうとらえているか?普段どんなケアを行っているか?
丁寧に2時間かけて話しました。
しかし、残念ながら…
「なぜ、その対応がいけないことか?」を彼に理解してもらうことは叶いませんでした。
その後ら、面談を重ねていく事で、私の言いたい内容は少しづつ理解いただけましたが…介護リーダーとしての資質に問題があると思い、ホーム長に相談いたしました。
その時のホーム長の反応は
「そんなに悪いことかね?君がそこまでいうなら何か考えるよ。」
という、悲しい回答でした。
管理者として、課題認識が共有できなかったことがとても残念でありました。
また管理者として方針・方向性を言語化し、明確に示していかないと、ご入居者の権利侵害や身体拘束・高齢者虐待につながるということを、体験的に学びました。
結局、その介護リーダーは他のホームへ異動となりましたが、納得できる結果ではありませんでした。
つづく




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