2025年12月9日
アライブ代々木大山町ホーム長の井東です。
私は食べることが大好きです。
特に肉!
ステーキ、焼肉を食べるときは心からの幸せを感じます。
ただ、ふと将来
「噛む力(咀嚼力)が弱くなって、肉を思う存分食べられなくなったら・・・」
と考えると本当に寂しい気持ちになります…。
最近は咀嚼や嚥下が難しくなった方向けに「軟菜食」というお食事の提供方法があります。
軟菜食とは、咀嚼や嚥下が容易になるように普通食の食材を柔らかく調理したお食事のことです。
食材は圧力鍋や長時間調理によって柔らかく仕上げられ、見た目や味は普通食とほとんど変わらないため、主に高齢者や噛む力が低下した方に提供されることが多くあります。
軟野食は、食事の楽しみを損なうことなく安全に食べることができる素晴らしいメリットがある一方で、残念な点もございます。
それは、使用できる食材が限られてしまうことです。
軟菜食で禁止される主な食材は以下の通りです:
・硬く弾力があるもの(漬物、貝類、かまぼこ、たこなど)
・ポロポロ、パサパサしたもの(炒り豆腐、ひき肉、クッキーなど)
・べとつきが強いものや口の中で貼りつきやすいもの(もち、のり、わかめなど)
・繊維の多い野菜(ごぼう、セロリ、タケノコなど)
・粉っぽいお菓子(きなこなどのついたお菓子)
・飲み込む時に水分が出るもの(果汁の多い果物や高野豆腐など)
これらの食材は、消化に負担をかけたり、誤嚥のリスクを高めたりするため、避けるべきとされています。
また、家庭での調理がとても大変である上に、通常の飲食店では「軟菜食」のご提供はかなり難しいため、外食先が見当たらないという残念な点もございます。
こういう時の強い味方が「義歯」です。
後期高齢者(75歳~)では、本来持っている歯の数(28本)の半数近くが失われている方が多く、20本以上の歯を持つ人は46%というデータもあり、全く歯が無い方もいらっしゃいます。
ただ、食事を楽しむということだけでなく、ADL(日常生活動作)・QOL(生活の質)を維持・向上させるためには、可能な限り義歯を利用した方が私は良いと思っております。
義歯の効果はぱっと思いつくだけでも以下の効果があります。
① 咀嚼しやすくなり、美味しく食事ができるようになる(普通の食事が食べられる)
② 外見がよくなり、人に会いたくなる
③ 認知症の予防になる
④ 誤嚥性肺炎の予防になる
⑤ 転倒防止で要介護になるのを防ぐ
⑥ 虫歯や歯周病の予防になる
①②はすぐに想像がつくと思いますが、③~⑥のような効果も義歯にはあります。
過去に他施設からアライブに転居された方で、義歯にまつわる忘れられない経験をしました。
その方は他施設に居たときには、義歯を作ることもなくずっとムース食(通常の食事や食材をペースト状にして増粘剤で固め、ムース状にした、いわゆる介護食)を召し上がっていました。
アライブに転居後、義歯を作成し、日々介護スタッフによる咀嚼・嚥下訓練を継続することで、お寿司など普通の食事が食べられるようにまで回復されました。
その結果、月に2回くらいご家族の家で食事をするまでに回復され、ご本人もご家族も大変喜ばれていらっしゃいました。
アライブ代々木大山町では、可能な限り義歯を作成することをお勧めしております。訪問歯科の先生も毎週ホームに来ておりますのでご安心ください。
色々なお身体の状態のご入居者がいらっしゃいますが、出来るだけ「食べられる幸せ」を長く感じていただけるようスタッフ一同、これからも考えていきたいと思います。
入居を検討されている方は、食事以外の事でも結構ですので、是非お気軽にお問い合わせください。




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