2026年5月18日
(前回の続き)
移動中の車内では、ご本人は終始ご立腹の様子でした。
同乗していた私に対し、「どこへ行くんだ!お前は誰だ、人さらい!」と車中での約1時間、怒鳴り続けられました。
横に付き添っていた私に対して叩く、蹴るなどの行為を繰り返され、その都度、今回はホームへ移動することを説明いたしましたが、ホームに到着するまでその状態が続きました。
ホームに到着すると、「ここは何というところだ」「なぜ連れてきた」「お前たちはみんな私を騙すのだろう」と話されたため、その都度ご説明し、どうにか玄関に入っていただけました。
ホームの中に入られてからも、ご立腹の様子は続いておりました。
ご家族様が帰宅された後も興奮は収まらず、正面玄関まで来られて「今から帰るんだ!」と自動ドアを叩く、玄関の花を投げつける、パンフレットを投げつけるといった行為が続きました。
その都度、説明を繰り返し、ご入居当日は夕食までの約5時間、職員が付き添って対応いたしました。
ご入居から5日間ほどは同様の状態が続きましたが、その間も職員が傾聴し、ご本人のお話をしっかりと受け止め、寄り添った対応を全職員で徹底いたしました。
ご本人がミカンがお好きだと聞き、すぐに用意するなど、ご本人の願いや望みが叶えられるよう、職員の工夫と努力で対応を積み重ねていきました。
5日間は玄関に来られ、「家に帰るから玄関を開けてくれ」と自動ドアを叩く、蹴るなどの行為がありましたが、私がお話を聞くと、時折「お菓子をください」「ミカンをください」と話されることがありました。
職員を頼るような内容へと、ご本人の発言が少しずつ変化していったのです。ご希望やご要望に関して、叶えられることはすべて実施していきました。
このような対応の積み重ねが実を結んだのか、ご入居から6日目のことです。
いつものように事務所付近に来られたため、私は「また帰りたいとおっしゃるのかな」と思いながらお声がけしました。
すると、ご本人から「今日の晩御飯は何?」と質問があったのです。
メニューをお答えすると、「じゃあ頼んでおいて」とお話がありました。
私が「では、今日はお泊まりしていくのですか?」とお聞きすると、
「ここはみんな優しいし、良いところだから、しばらく泊まっていこうと思うんだよ。泊まれるの?」と言っていただけました。
私は満面の笑みで「今ならしばらく泊まれますよ!」とお答えすると、「あー良かった、安心して寝られるわ」と安心された様子でした。
その日はそれ以降、一度も事務所に来られることなくホームで過ごされました。
心配になって居室へ様子を見に伺うと、「今日はここに泊まるよ!お願いね」とお話ししてくださいました。




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