2026年3月5日
皆様、こんにちは。
アライブ世田谷中町ホーム長の厚地です。
今回は、私たちが目指す「街一番の介護屋」という言葉の本当の意味を、
あらためて実感させてくださったご入居者様とのご縁についてお話しさせていただきます。
A様、90代の女性。
ホーム近隣のマンションでお一人暮らしをされ、娘様方が交代で支えながら日々を重ねてこられました。
昨年11月頃より、ショートステイを繰り返しご利用くださるようになり、将来的なご入居も視野に入れてご検討いただいておりました。
A様ご本人もホームをとても気に入って下さり、
娘様方からも、「夜ひとりにしておくのが不安だったので、本当に助かっています」
と、安心されたご様子でお話しくださっていました。
私たちは、日中はご自宅で過ごし、夜はホームで休まれるという生活リズムをご提案し、
住み慣れたご自宅での時間を守りながら、お身体の状態を維持できるよう支援しておりました。
しかし、ショートステイのご利用を重ねる中でご自宅にて体調を崩され、
「やはり慣れた家で過ごしたい」とのご希望から、しばらく利用が空くこととなりました。
「何かありましたら、いつでもご連絡ください。」
そうお伝えし、その後もお電話やお手紙を通じて、ご縁が途切れぬよう心を寄せ続けました。
そして――
私がご様子を伺おうと考えていた、まさにその時。
娘様より一本のお電話をいただきました。
ご自宅で転倒され、左足小指を骨折されたとのこと。
娘様方も交代で泊まり込みながら支えておられましたが、心身ともに限界に近いご様子でした。
そして何より、A様がこうおっしゃっていると伺いました。
「中町へ行きたい。」
胸が熱くなりました。
迷いなく、私たちはお迎えする準備を整えました。
久しぶりにお会いしたA様は、
「またお世話になりますね。」
と、いつものように周囲を気遣う優しい笑顔を見せてくださいました。
しかし、転倒による痛みの影響もあり、お食事は思うように進みません。
それでも私たちは信じていました。
ここでゆっくり力を取り戻し、またご自宅へ帰られる日が来ることを。
ところが、入居翌日からご状態は急変。
主治医の先生より、「以前から重度の心不全があり、正直に申し上げてお看取りの時期に入っています」とのお話がありました。
あまりにも突然の現実に、言葉を失いました。
娘様方も、「まさか今がその時だとは思っていませんでした」と涙ながらに話されました。そして、「ご迷惑をおかけします」と何度も頭を下げられました。
私たちはお伝えしました。
「私たちは、最後まで希望を持って関わらせていただきます。」
職員一人ひとりが、その思いを胸にA様のそばに寄り添いました。
そしてご入居から6日目の夜。
娘様方に手を握られながら、A様は静かに、眠るように旅立たれました。
あまりに早すぎる別れでした。
それでも娘様方は、涙の中でこうおっしゃいました。
「突然でしたが、ここで過ごせて母は幸せだったと思います。本当にありがとうございました。」
本来であれば、またご自宅へ戻られる未来を、誰もが疑っていませんでした。
それが叶わなかったことは、今も胸に残っています。
けれども――
「中町へ行きたい」とおっしゃったあの一言。
あの言葉は、偶然ではなかったのだと思うのです。
ホームは、ご自宅にはなれません。
どなたにとっても、ご自宅が一番大切な場所です。
それでも人生の最終章を迎えるその時に、
「中町へ行きたい」と選んでいただけた。
それは、信頼であり、覚悟であり、そして私たちへ人生の最期を託してくださったのではないでしょうか。
不謹慎かもしれません。
けれど私は、深い悲しみの中に、確かな誇りを感じました。
この街で、この場所で、
最期の時間を託していただける存在でありたい。
それこそが、私にとっての「街一番の介護屋」の姿です。
A様、本当にありがとうございました。
このご縁とお気持ちを、私たちは決して忘れません。
これからも職員一同、
一人ひとりの人生に真摯に向き合い、
この街で最も信頼される存在を目指して歩み続けてまいります。




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