2026年3月5日
感染対応が落ち着いてから8か月が経過しました。
他ホームのホーム長が急遽退職することになり、後任として異動の打診を受けました。
異動先は60床の介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)でした。
当時のそのホームの状況は、前任者の独善的な運営によりホーム内に派閥が形成され、職員間の人間関係が悪化していました。結果として組織が機能不全に陥り、前任者が急きょ退職せざるを得ない状況となっていたのです。
新任のホーム長では対応が困難であるとの判断から、組織の立て直しを目的とした異動となりました。
着任早々、職員から多くの相談が寄せられました。前任者を擁護する側と批判する側で意見が真っ向から対立しており、まずは一人ひとりの声に耳を傾ける時間を十分に設けました。
双方の意見に大きな隔たりがあり、組織として足並みを揃えるまでには約半年を要しました。
個々の主張自体は部分的に正論であっても、過去の関係性や派閥の論理が優先され、建設的な議論ができない状態が続いていたためです。
個別面談では感情論が先行し、結論に至らないことが多かったため、私は、員会や定期会議の活性化に注力しました。組織の課題解決に向けた意思決定のプロセスを明確にし、決定事項を確実に実行に移すサイクルを繰り返しました。
その結果、ホームとしての方向性が少しずつ定まり、職員同士の不満ではなく、入居者様へのケアに関する前向きな議論が行えるようになりました。
着任当初、前ホーム長擁護派の職員からは「前任者はそんなことは言わなかった」と反発を受けることも多くありました。しかし、私は自身の発言の根拠を常に丁寧に説明し、理解を得る努力を継続しました。大部分の職員には真意が伝わりましたが、一部には最後まで理解を得られず、批判を繰り返した末に退職に至る職員もいました。
この経験を通じて痛感したのは、ホーム長業務は属人的であってはならないということです。
ホーム長には必ず異動が伴います。後任者がスムーズに管理業務を引き継げる体制を整えておくことが不可欠です。ホーム長個人の強みを活かすことは重要ですが、その人でなければ回らない組織作りは、ホームの継続的な発展に繋がらず、最終的に入居者様に対して不利益をもたらします。
現在もホーム長を務める中で、この教訓を強く意識し、持続可能な組織運営に努めています。




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