2026年3月21日
皆様、こんにちは。
アライブ久が原ホーム長の上林です。
介護の現場ではよく「相手の立場に立って考える」という言葉を耳にします。
私自身も日々その大切さを痛感していますが、「では、常にその視点で行動できているか?」と自問自答すると、まだまだ学びの途中だと感じることも少なくありません。
今回は、私の恩師であり『お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい』の著者でもある向野幾世先生から伺った、忘れられないエピソードをご紹介したいと思います。
先生が養護学校で担任されていた、外国籍のご両親を持つ、ある生徒さんのお話です。
その生徒さんは、トイレの中を這って移動しながら「ト、ト!ト、ト!」と何度も声を出し、何かを伝えようとしていました。
先生は当初、その言葉を「お魚(トト)」のことだと思い、「こんなところに魚はいませんよ」と返していたそうです。
しかし、そのやり取りが何度も繰り返されたある時、先生がふと腰を落とし、生徒さんと同じ目線になってみたところ、便器の横に書かれたメーカーロゴの「TOTO」という文字に気が付きました。
生徒さんは、お魚のことではなく、目の前にある「TOTO」という文字を一生懸命伝えようとしていたのでした。先生は自分の思い込みに気づき、すぐにその生徒さんに謝罪されたそうです。
このお話を伺った時、私はハッとさせられました。
「相手の立場に立つ」とは、単に頭の中で想像することだけではなく、「実際にその方と同じ高さまに目線を合わせ、同じ景色を見てみる」というアプローチがとても大切なのだと改めて教わった気がします。
介護の現場でも、ご入居者の言葉を上手く聞き取れなかったり、行動の意図がすぐに理解できなかったりする場面があります。
しかし、そこには必ず、その方なりの理由や伝えたい思いが隠されています。
私たちが少し腰を落として、同じ目線で向き合うこと。
その方の生活や身体状況を想像してみること。
そして「自分の理解が間違っているかもしれない」と自省してみること。
こうした小さな姿勢の積み重ねこそが、ご入居者の安心や深い信頼関係につながっていくのだと信じています。
これからも「相手の目線に立つ」という原点を忘れず、日々のケアに真摯に向き合っていきたいと思います。
最後に、ホーム見学は随時承っております。
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