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基本ケアの実践 ~身体を整えることの大切さ~

2026年6月9日 

皆様こんにちは。
アライブ世田谷中町ホーム長の厚地です。

5月とは思えない暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
これから本格的な夏を迎えるにあたり、体調管理には十分ご留意いただきたいと思います。

この時期に特に大切になるのが「水分摂取」です。

今回は、私たちが日々取り組んでいる基本ケアのひとつである水分ケアについて、
その重要性と、ご入居者の実際の変化を交えながらお話しさせていただきます。

私たちは、水分が人の身体にとって欠かせないものであることを当然のように理解しています。

水分が不足すると、脱水や発熱などの体調不良を引き起こし、特に高齢者は体内の水分量が少ないため、重症化のリスクも高まります。

そのため、これまでも「体調を崩さないための予防」として水分摂取を大切にしてまいりました。

しかし、近年学びを深める中で、水分は単に病気や脱水を予防するためだけのものではなく、
認知症の症状や精神面、行動面にも大きく影響することを改めて実感しています。

適切な水分摂取は、身体の健康を維持するだけでなく、その方らしい生活を支える大切な要素なのです。

私たちの身体は、水の力を借りながら老廃物を体外へ排出し、生命活動を維持しています。

体内の水分が不足すると、発熱や循環機能の低下、活動量の低下、意識障害、幻覚など様々な症状が現れます。
認知症の方においては、行動・心理症状(BPSD)の悪化につながることもあります。

例えば、暴言や暴力、不潔行為といった行動症状や、
不安、抑うつ、幻覚、妄想などの心理症状です。

だからこそ、水分ケアは生命維持や健康管理だけでなく、認知症の症状を和らげ、
その方が安心して生活を送るためにも重要な取り組みだと考えています。

4月にご入居されたA様(84歳・男性)は、アルツハイマー型認知症の方です。

お身体はお元気で明るい性格の方ですが、認知症の進行により日常会話が難しく、トイレの場所やトイレそのものの認識が困難な状況でした。

そのため、トイレ以外の場所で排泄されることがあり、ご家族も大変心配されていました。

私たちは居室環境の調整に加え、A様に適した水分量を設定し、十分な水分摂取と日中の散歩による活動量向上に取り組みました。

その結果、現在ではトイレ以外の場所で排泄されることはなくなっています。

トイレの場所の認識については引き続き支援を行っていますが、ご自身の居室内のトイレに対する理解も少しずつ深まってきています。

水分摂取と運動量の向上が、A様の状態改善につながった一例です。

「水分を増やすと、かえって排泄の問題が増えるのではないか」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし大切なのは、水分をただ多く摂ることではありません。

高齢者の水分摂取量は一般的に1日1,500ml程度が目安とされていますが、必要な量はお身体の状態や疾患によって異なります。
その方にとって適切な水分量を見極め、無理なく摂取していただくことが重要です。

もうお一人、B様(86歳・男性)もアルツハイマー型認知症の方です。

ゴルフや歌がお好きな穏やかな方ですが、入浴や排泄のお手伝いの際、特に女性スタッフに対して強い拒否を示され、時には大きな声を出されたり、手が出てしまったりすることがありました。

もちろん、その背景には「自分でできる」「人に見られたくない」というお気持ちがあることも理解しています。

一方で、認知症の進行によって以前のようにできないことが増え、ご本人も不安や戸惑いを感じていらっしゃったのだと思います。

そこでB様に対しても、適切な水分摂取と活動量向上に取り組みました。

すると、まだ完全ではありませんが、介助を受け入れてくださる場面が増え、声を荒げられることも少なくなってきています。

改めて感じるのは、「水分を飲んでいただくこと」そのものが目的ではないということです。

大切なのは、その方に合った適切なケアを実践し、身体の状態を整えること。
その積み重ねが、穏やかな生活や、その方らしさを支えることにつながるのだと考えています。

私たちはこれからも、皆様が心身ともに健康を保ち、「やりたいこと」「やってみたいこと」
そして、その方の“真の望み”を実現できるよう支援してまいります。

水分の大切さは、もちろん高齢者の方だけに限ったことではありません。

実はこの学びを通じて、私自身も改めて家庭での水分摂取について考えるようになりました。

小学4年生になる娘にも、水分の大切さについて話をする機会がありました。
娘はなかなか親の言うことを素直に聞いてくれず、時には自分に非があっても怒り出してしまうことがあります。

そんな時に冗談交じりで、

「すぐ怒るのは、水分が足りていないからかもしれないね」

と話したことがあります。

毎日私が水筒を準備していますが、以前は飲み残して帰ってくることが多かった娘も、最近は空になった水筒を持ち帰ることが増えました。
(ただ暑い日が続いているからかもしれませんが・・・。笑)

そして何より、娘に水分を勧める私自身も、時には感情的になってしまうことがあります。

まずは自分自身がしっかり体調を整え、娘と向き合っていきたいと思っています。

これから夏本番を迎えます。

私たち職員も適切な水分補給を心掛けながら健康管理に努め、
ご入居者お一人おひとりに必要な水分摂取と基本ケアを実践し、皆様が元気に、そしてその方らしくお過ごしいただけるよう取り組んでまいります。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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