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介護士1年生

2026年6月9日 

アライブ世田谷下馬のホーム長、柴田です。

この春、当ホームに新卒の男性社員が入職しました。

配属から1か月半。ご入居者の入浴ケアまで行えるようになり、スタッフとの報告・連絡・相談も日々上達しています。

この最初の1か月、介護主任やリーダーたちを中心に、彼の育成で大切にしてきたことがあります。

それは、「その介護の目的は何か」を考えることです。

配属初日には、心理スタッフが開催する茶話会に参加し、ご入居者の皆様と交流しました。
身をかがめてお話に耳を傾ける姿には、周囲のスタッフからも感嘆の声が上がりました。

翌日は、生活相談員と男性ご入居者のクラス同窓会への外出支援に同行しました。老いや病が進んでも、叶えられることは数多くあると感じる機会になったと思います。

3日目には、私と共に女性ご入居者の近隣美容室への送迎に同行しました。途中、その方のご自宅にも立ち寄りました。ホーム介護の前には在宅介護があり、ご本人やご家族の暮らしの延長線上に私たちの仕事があることを伝えました。

介護技術や知識はもちろん大切です。
けれど、その前に、ご入居者がどんな人生を歩み、何を大切にされているのか、その方の暮らしや望みに触れることもまた、介護士として大切な学びだと考えています。

ホームスタッフ皆が、介護1年目の彼に向ける眼差しや育成への想いに触れ、その価値や意味を確かめたくなり、自分にとっての「介護士初日」と「介護士1年目」を振り返ってみました。

23年前、特別養護老人ホームで夜勤アルバイトを始めた初日。

「柴田さん、そこのベンチで利用者さんを見ていてください」

それが私にとって最初の介護の仕事でした。
目的は、「利用者の安全を見守るため」。

その後、アライブへ入社した1年目。
「柴田さん、そこのソファでご入居者のお話を聞いていてください」
アルバイト経験があった私は、早く技術を覚えたい気持ちでいっぱいでした。

そんな私に先輩リーダーが伝えてくれたのは、
「介助の前に関係を築くことが大事だから」
ということでした。

そして今。

私たちが新卒スタッフに、
「ご入居者とお話する時間にしましょう」
と伝える理由は何でしょうか。

安全を見守るだけでもない。
介助の前の関係づくりだけでもない。

私たちはケアと心の交流を通して、
その方の暮らしを豊かにする介護を見つけるためです。

その信念を持ち、人財育成に励んでいるホームスタッフの皆に感謝しています。

特養時代に出会ったある女性利用者のお名前を、私は今でも覚えています。

「泣くな妹よ、妹よ泣くな。泣けば幼い二人して、故郷を捨てた甲斐がない」
その歌声も鮮明に記憶に残っています。

あの時、もし今のアライブの理念や考え方を知っていたら、ベンチに座りながらの関わり方も少し違っていたかもしれません。

20年以上介護を続けていても、
お相手の気持ちが分かる、心を受け取れるとは言い切れません。

だからこそ、

「寄り添えるように努力する」
 「皆で協力して考える」
その文化をつくり続けたいと思っています。

介護士1年生の彼に伝えたいことを考えながら、
私自身も「介護の目的」をあらためて問い直す機会になりました。

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