2026年7月1日
こんにちは、アライブかながわホーム長の佐藤です。
梅雨明けを心待ちにする今日このごろでございますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
6月6日に東京国際フォーラムで開催された「日本認知症ケア学会」において、当ホームのケアマネージャーの新宅と、介護サブリーダーの一戸が研究発表を行いました。
今回は、その発表内容を皆さまにお届けします。
■ どんな研究だったのか?
「食べない」のではなく、「料理をしているのかもしれない」
そんな視点の転換が、ケアの突破口になりました。
3年半前にご入居されたA様(90代女性)は、アルツハイマー型認知症の進行に伴い、白米(ご飯)が食べ物であると認識することが難しくなっていました。食事中に料理を並べ替えたり、混ぜたり、移し替えたりする行動も見られ、スタッフは当初「食事に集中できていない」と捉えていました。
しかし、スタッフがA様の生活歴(ライフヒストリー)に目を向けると、A様はもともと料理が得意で、食べることが大好きな方だったことが分かりました。目の前の行動を「問題行動」として片付けるのではなく、その方の“物語”として読み解くことが、ケアの突破口となったのです。
■ 具体的に何をしたのか?
① 食事の形を工夫
白米をそのまま提供するのではなく、手で持ちやすいおにぎりの形に変えてみました。のり巻きやふりかけおにぎりなど、形を変えながら1カ月間、昼食時の食べ方を丁寧に観察しました。
結果として、形の違いによる摂取量の大きな差は見られませんでしたが、A様の食への関わり方をより深く理解するきっかけになりました。
② 水分、運動、睡眠との関係を観察
毎日の水分摂取量、運動量、睡眠状況を記録したところ、いくつかの大切な関係性が見えてきました。
水分をしっかり摂れた日(1,400ml以上):覚醒状態が安定し、食事への集中力が上がりました。
水分が不足した日:便秘や不快感が生じ、食事を拒否されることもありました。
運動を4種類以上行った日(体操・移動運動・アクティビティ・キャッチボールなど): 食欲が増す傾向も確認されました。
③ 食事環境を「一人席」から「二人席」に変更
もともとは食事に集中できるようお一人で召し上がっていただいていましたが、新しくご入居された方と一緒に食べる環境に変えてみました。
すると会話が生まれ、表情が明るくなり、食事の動作が自然と安定していきました。
「食事は単に栄養を摂るだけでなく、人とつながる時間である」ということを、A様が改めて教えてくださいました。
■ この研究が教えてくれたこと
食事中に料理を混ぜたり並べ替えたりするA様の行動は、「食遊び」や「問題行動」ではなく、料理好きだった過去の記憶が形を変えて現れていたのかもしれません。
認知症が進行しても、その方のこれまでの記憶や想いは生きています。
スタッフが「なぜそうするのだろう?」と立ち止まり、その方の人生に思いを馳せること。その小さな問いかけが、ケアの質をまったく違うものに変えていきます。
■ アライブかながわが大切にしていること
私たちは、認知症のある方の行動を「管理すべき問題」とは捉えていません。
その行動の意味を探り、その人らしさを活かした環境をつくること――それこそが、アライブかながわのケアです。
今回の学会発表は、スタッフが日々の関わりの中で感じた「小さな気づき」を、研究という形で深めたものです。
こうした積み重ねが、入居者の皆さまの笑顔につながると信じています。
ご入居のご相談や見学のご希望など、いつでもお気軽にお声がけください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。




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