2026年9月3日
皆様、こんにちは。
アライブ世田谷下馬のホーム長、柴田です。
介護ホームで働く私たちは、ご入居者の暮らしを豊かにし、その人生を支えることを仕事にしています。
当ホームでは多世代のスタッフが働いていますが、誰もまだ「後期高齢者」として生きた経験はありません。
老いの中で生まれる葛藤を、自分自身の経験として知っているわけではない私たちが、ご入居者の人生をお支えしているのです。
だからこそ、分からないことに真摯に向き合いながら、「少しでも力になりたい」と懸命に関わっています。
けれど、長い時間をご一緒していると、「支える」「支えられる」という言葉だけでは説明できない、温かい関係が生まれていきます。
ご入居者だけでなく、そのご家族にも、そして私たちスタッフにも、それぞれの人生があります。
結婚、出産、病気、介護、そして大切な人との別れ――。
ホームでは、そんな人生の節目が幾重にも交錯していきます。
あるスタッフに、第二子が誕生したときのことです。
「いつも関わっているご入居者と、この喜びを分かち合いたい」
そんな思いから、スタッフが生まれて間もない赤ちゃんを連れてホームを訪れてくれました。
すると、ご入居者だけでなく、その場に面会に来られていたご家族まで自然と集まってくださいました。
赤ちゃんを優しく抱き、「かわいいね」「おめでとう」と笑顔が広がります。
写真撮影も始まり、お部屋へスマートフォンを嬉しそうに取りに走られる方の姿もありました。
スタッフの人生の節目を、ご入居者やご家族がまるでご自身の事のように喜んでくださる。
本当にかけがえのない、温かい時間でした。
また、あるご入居者の娘様とのお話です。
お母様がご入居された当時、娘様ご自身も体調を崩されており、療養が必要な状態でした。
「お母様の生活をホームに託したことで、自分自身の療養にも向き合うことができた」と、幾度も感謝の言葉をいただきました。
それから時間が流れ、ある日のこと。
娘様が、普段から親しくしているスタッフに、嬉しそうに、でも少し秘密を打ち明けるようにヒソヒソとお話ししてくださいました。
「私、おばあちゃんになるの」
介護サービスをきっかけに始まった関係の中で、新しい命の誕生を一緒に喜ぶことができた瞬間でした。
しかし、物語には続きがあります。
今度はそのスタッフ自身が、大切な家族との死別を経験することになったのです。
そのことを知った娘様は、まるでご自身の家族のことのようにスタッフの悲しみを受け止め、涙を流してくださいました。
「きっと深く哀しいと思うの。ホームの皆さんもそうだけど、私も支えるからね」
私たちは、ご入居者やご家族を「支える立場」にあります。
けれど実際には、私たち自身も幾度となく励まされ、一緒に喜んでいただき、ときには大きな悲しみまで受け止めていただいてきました。
そして、そうした関わりの中で、私たちは多くのことを教えていただいています。
老いるということ。家族を思うということ。誰かを失うこと。そして、人に支えられることの温かさ――。
ご入居者やご家族との関わりから知ったこと、感じたことの一つひとつが、次に誰かを支えるときの力になり、私たちのケアに温もりを与えてくれています。
「サービス」という言葉だけでは表しきれない、心と心の関わりを、私たちの方こそいただいているのだと思います。
支えているつもりで、実は支えられている。
そして、支えていただいたものが、また次の誰かを支える力になっていく。
これからもこのホームが、ご入居者、ご家族、そしてスタッフそれぞれの人生が優しく交わり、支え合える場所であり続けてほしいと心から願っています。




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